必読!覚えておくべき例外(2) 分詞構文
言語は、進化する生き物である
4月に学習したLCT(ニュースリスニング)で、次のような文がありました。
He failed to successfully land the jump and ended in fourth place, dashing his hopes for three consecutive Olympic gold medals.
羽生選手は着氷に失敗して4位に終わり,オリンピック3連覇の望みは砕かれた。
このdashing ~は
文法的な説明としては「分詞構文」だな、
付帯状況ってやつだ、
ということはわかります。
ですが!
ん? まてよ?
分詞構文なら、二つの文(主節と副詞節)の主語は同じで
dashing 以下は
, and dashed his hopes for … ということになるけど、
dashed の主語が He(羽生選手) だとなんか変だぞ?
意味的に考えると、
dashing~の意味上の主語は、前の文全体(失敗して4位に終わったこと)と考える方が自然。
でも、主語が異なる場合は副詞節の主語はそのまま分詞の前につけておかなければいけないはず!(独立分詞構文)
なんで!?
実は、この
分詞構文の意味上の主語が主節(前の文章)の全体もしくは一部であるケースが、
教本の例文や毎週のニュース教材だけでなく、
世の中の実際のあらゆる文章で非常に多く用いられているのですが、
な・ぜ・か!?
どの文法書にも載っていないのです!
例としては、
付帯状況のケース
(主節の結果、または主節に続いて、副詞節のことが起こる)
場合に用いられることが多いようです。
主な副詞節の動詞としては
leaving ~ (……の結果)~を残す
causing ~ (……の結果)~を生じる
resulting in ~ (……の結果)~を生じる
leading to ~ (……の結果)~につながる、~を導く
making ~ (……の結果)~をする、なす
これ以外にも、
A new coalition cabinet has been sworn in, putting an end to the long period of one-party rule.
新しい連立内閣が、成立し、長い期間の一党支配に終止符を打った。
(茅ヶ崎方式英語教本Book3 Unit5-No.162より)
このputting an endの主語も、「A new coalition cabinet(新しい連立政権)」より、主節全体「新しい連立政権が成立した(その結果)」と考えた方が意味として自然ですね。
言語はどんどん進化する生き物です。
間違った使い方や、例外も、
使う人がとても多くなれば、それが現代の常識となり
やがて辞書や文法書にも載るようになるでしょう。
茅ヶ崎方式の文法書が改訂されるときには、
ぜひ!
このルールも載せていただきたいですね!
(あ、別に、私の名前を載せろと言ってるわけではないですよ、マジでマジで……)
by クールミント
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